どこからどこについてどう動くのか、どういった
神経で動いているのか、について紹介していきます。
筋肉名に入る前に動きの説明ですが、
屈曲=肘を曲げる
伸展=肘を伸ばす
回外=肘を起点に手の平を上に向ける
回内=肘を起点に手の平を下に向ける
となります。
それでは見ていきましょう。
「上腕の筋肉」
①上腕二頭筋
上腕二頭筋は長頭と短頭に分かれます。
長頭は肩甲骨の関節上結節から
短頭は肩甲骨の烏口突起から
橈骨の橈骨粗面に付きます。
筋皮神経支配で前腕回外の状態から
肘を屈曲する役目の筋肉です。
いわゆる力こぶの所ですね。
②上腕三頭筋
名前の通り、長頭・内側頭・外側頭の三頭から
なります。
長頭は肩甲骨の関節下結節
内側頭は上腕骨の橈骨神経溝外側下方
外側頭は上腕骨の橈骨神経溝外側上方
から尺骨の肘頭に付きます。
橈骨神経支配で主に肘を伸展させる作用が
あります。
上腕二頭筋とは拮抗する正反対の関係ですね。
③肘筋
肘筋は上腕骨外側上顆後面から尺骨粗面に
付く筋肉で橈骨神経が支配しており
肘関節を伸展させる働きがあります。
「前腕の筋肉」
・伸筋群
①腕橈骨筋
上腕骨の外側上顆から橈骨の茎状突起に付き、
橈骨神経が支配しています。
主に肘関節の屈曲と前腕の回外動作に関与します。
②回外筋
上腕骨の外側上顆、尺骨の回外筋稜、輪状靭帯、
外側側副靭帯から前腕外側面に付き、橈骨神経
が支配しています。
名前のまんまですが前腕を回外させます。
③長橈側手根伸筋
上腕骨外側上顆から第2中手骨底背面に付く
長い筋肉です。
橈骨神経支配で手関節の背屈、撓屈と
肘関節の屈曲に関与します。
④短橈側手根伸筋
上腕骨外側上顆、橈骨輪状靭帯、外側側副靭帯から
第3中手骨底背面に付きます。
橈骨神経支配で長橈側手根伸筋とともに
手関節の背屈、橈屈に関与します。
⑤尺側手根伸筋
上腕骨外側上顆から付き、第5中手骨底背面につきます。
橈骨神経支配で手関節の背屈と尺屈に関与します。
⑥総指伸筋
上腕骨外側上顆、外側側副靭帯、前腕筋膜から
第2~第5中節骨底、末節骨底に付きます。
橈骨神経支配で第2~第5指を伸展させる唯一の
筋肉です。
⑦長母指伸筋
尺側中部背面、前腕骨間膜背面から
母指の末節骨底背面に付きます。
橈骨神経支配で母指の伸展、外転に関与します。
母指を反らす動作ですね。
⑧短母指伸筋
前腕骨間膜の背面、橈骨中部後面から
母指基節骨底に付きます。
橈骨神経支配で長母指伸筋とともに母指を伸展、
外転させ、手関節の伸展にも関与します。
⑨長母指外転筋
橈骨、尺骨中部の背面、前腕骨間膜背面から
第1中手骨底の外側に付きます。
橈骨神経支配で母指を外転、手関節橈屈させる
作用があります。
いわゆる手の平を大きく広げる動きです。
⑩示指伸筋
前腕骨間膜背面、尺骨遠位背面から
第2指指背腱膜に付きます。
橈骨神経支配で人差し指を伸ばす働きをします。
⑪小指伸筋
上腕骨外側上顆から小指の指背腱膜に付きます。
橈骨神経支配で第5指を伸展させる働きがあります。
・屈筋群
①円回内筋
上腕頭は上腕骨内側上顆から
尺骨頭は尺骨鈎状突起から
橈骨の前外側面に付きます。
正中神経支配で前腕の回内、肘関節の屈曲
に作用します。
ペットボトルのふたを開ける時等に関与します。
②橈側手根屈筋
上腕骨内側上顆、前腕筋膜から第2~第3中手骨底
掌側面に付きます。
正中神経支配で手関節掌屈、橈屈
肘関節屈曲、前腕回内に作用します。
③長掌筋
上腕骨内側上顆から手掌腱膜に付きます。
正中神経支配で手関節掌屈、肘関節屈曲にも
わずかに関与します。
④尺側手根屈筋
上腕頭は上腕骨内側上顆から
尺骨頭は肘頭から
豆状骨、第5中手骨底に付きます。
尺骨神経支配で手関節掌屈、尺屈に作用します。
これだけ尺骨神経なので試験ではややこしかったです😅
⑤浅指屈筋
上腕頭は上腕骨内側上顆から
尺骨頭は尺骨粗面及び内側側副靭帯から
橈骨頭は橈骨上方前面から
第2~第5中節骨底に付きます。
正中神経支配で第2~第5指PIP関節の屈曲と
手関節掌屈に関与します。
手を握る動きや手首を曲げる動きに作用します。
⑥深指屈筋
尺骨前面、前腕骨間膜前面から第2~第5指末節骨底
の掌側に付きます。
橈側面は正中神経支配
尺側側は尺骨神経支配で第2~第5指DIP、PIP関節
の屈曲と手関節の掌屈に関与します。
⑦方形回内筋
尺骨の遠位端四分の一前面から
橈骨遠位端四分の一前面に付きます。
正中神経支配で前腕の回内に関与します。
⑧長母指屈筋
橈骨前面、前腕骨間膜前面から母指末節骨底掌側
に付きます。
正中神経支配で母指IP、MP関節の屈曲や
手関節の橈屈に関与します。
「手指部」
・母指球筋
①短母指屈筋
深頭は大菱形骨結節、第一中手骨の尺側、
第一背側骨間筋の内側頭から
浅頭は屈筋支帯から
母指の基節骨底に付きます。
正中神経、尺骨神経支配で母指の
付け根を屈曲させる働きがあります。
②短母指外転筋
舟状骨結節、屈筋支帯から
母指の基節骨底に付きます。
正中神経支配で母指を外転させる作用があります。
③母指内転筋
横頭は第3中手骨の掌側から
斜頭は屈筋支帯、有頭骨、第2、3中手骨底の掌側から
母指の基節骨底に付きます。
尺骨神経支配で母指を内転させる働きがあります。
④母指対立筋
大菱形骨、屈筋支帯から
第1中手骨の橈側縁に付きます。
正中神経支配で母指を手掌に近づける働きがあります。
「小指球筋」
①短小指屈筋
有鈎骨鈎、屈筋支帯から
小指の基節骨底掌側面に付きます。
尺骨神経支配で小指MP関節を屈曲させる
働きがあります。
②小指外転筋
豆状骨、屈筋支帯から小指の基節骨底尺側に付きます。
尺骨神経支配で小指の外転、MP関節の屈曲に
関与します。
③小指対立筋
有鈎骨鈎、屈筋支帯から第5中手骨尺側縁に付きます。
尺骨神経支配で小指を親指の方へ曲げる動きに関与します。
「骨間筋」
①掌側骨間筋
第2中手骨の尺側、第4、第5指中手骨橈側、
指背腱膜から第2指基節骨底尺側、第4指、第5指
中手骨橈側に付きます。
尺骨神経支配で第2・4・5指MP関節の屈曲、
第1・第2関節の伸展に関与します。
②背側骨間筋
第1~5中手骨の相対面から
第2~4指の基節骨底、指背腱膜に付きます。
尺骨神経支配で手の平を大きく拡げる動きに関与します。
③虫様筋
第2・3指の深指屈筋腱橈側と第4~5指の深指屈筋腱
の相対面から伸筋腱膜と中手指節関節の関節包に付きます。
橈側は正中神経
尺側は尺骨神経支配で第2~5指MP関節の屈曲
とDIP関節遠位、PIP関節近位の伸展に関与します。
と以上になります。
長くなりましたが大丈夫でしょうか?😅
非常に多いですよね😅
次回はよく見られるゴルフ肘とテニス肘について
紹介していきますのでよろしくお願いします😄